私もちょうど車の買い替え期にそれまで乗っていた2代目インテグラとはまったく違う車が欲しく、学生時代からのキャンプ好きも手伝って4駆を買おうと意気込んでいました。はじめはこのロッキーとかトヨタのブリザードクラスの小型4駆を候補に上げており、特に発売されたばかりのこのロッキーはシンプルでクリーンなスタイルがかなり気に入っていました。しかし頑丈な4駆のこともあり、おそらくは2車検以上は確実に乗るだろうと予想し、将来成長した子供を含め家族全員がゆったりと乗れることを条件にすると、このクラスは小さすぎるのでした。結局私はセンセーショナルなデビューを果たした2代目パジェロを選びました。この選択は間違ってはいませんでした。以来十数年間、現在のデリカスペースギアまで三菱製フルサイズ4駆を乗り継ぐことになったのです。

 ダイハツ ロッキー パートタイム4WD  1990年発売
時は移り、子供も成長し、家族全員が揃ってドライブする機会もあまりなくなってきた頃、北関東の山間の温泉町で、本当に久しぶりにあのクリーンでシンプルなシルエットに出会いました。いまや記憶の彼方に埋もれていたあの小さな4WDが、早春の残雪が映える山並みをバックに、陽をあびてキラリと輝きながら目の前を走り去ってゆきました。
あ、懐かしいな、でもなんていう車だっけ・・・というのがその時の私の反応でした。姿ははっきりと記憶しているけれども名前がタフトだっけ?ラガーだっけ?いやもうひとつ・・・・
そうだロッキーだ!ダイハツのあの1.6リッターエンジンの・・・・・
私がこの車を知ったのはもう13年以上前です。1990年の発売ですから登場してすぐ注目したわけです。当時は浮かれまくったバブル経済もはじけ、世の中の景気も少しずつ下降線をたどりつつあったのですが、車の世界は企画から発売までの期間が長いので、この時期でも豪華に大きくが正義とばかりに多くのニューモデルが巨大なボディーと最新の装備満載でデビューしていました。そしてまた世はクロカン4駆ブームでもあり、SUVなんて言葉はまだ無かったものの、路上にはフルサイズのランクルやらパジェロやらビッグホーンやらがあふれかえってました。
そういうことがあったからといって、すぐにロッキーを買おうと思ったわけではありません。だいいち駐車場がありません。我が家には図体のでかいスペースギアと軽が2台あり、もうこれ以上増やせるわけも無かったのです。しかし、それだからこそかもしれません、私は時々ダイハツロッキーのキーワードでネット検索してみるようになったのです。そうして分かったのは、この車は今やほんとうに希少車なんだということでした。まあ、発売当時こそ話題になったりもしましたが、後発のスズキエスクードという強力なライバルの出現などもあり、販売不振のまま一代限りで消滅した不人気車だったわけです。

ロッキーの中古車は、見つけるのが特に都市部では難しいけれど、もし程度の良いものがあれば、安価だし、私にとっては買い得だとも思いました。しかし駐車スペースの問題は如何ともしがたいと諦めていたところ、こどもが一人住まいをしたいと言い出したのです。年頃でもあり反対する理由もありません。そして軽自動車を持ってゆきたいと言います。駐車場付きのアパートを見つけたからと。
こういう成り行きではやはり出物を探さずばなるまいと、私が我田引水の宣言をしたのは言うまでもありませんでした。

実を言えばそれまでに、私はすでに車で40分ほどの東京都小金井市内で、黒いマニュアルミッションのロッキーが販売されているのを発見していたのです。ネット情報ではまだ売れてない様子。こういうマイナー車は足が遅いのでたぶん在庫しているだろうと、見に行ったのですが、なんと1ヶ月前に売れてしまったとのこと。不人気車とはいえ私みたいに探している物好きな方がほかにもいらっしゃったわけです。ううむと少し肩を落としての帰り道、ふと思いついて今度は小平市というところの古い4WDをたくさん扱っているちょっとこだわりのある店へ足をむけてみました。

その時なんでその店のことを思い出したのかは分かりません。ネット情報ではかすりもしない店だったのですが、こういうのを虫の知らせっていうのですかねえ。そう、あったんです。初代パジェロやランクル70などに混じって珍しいホワイトボディーのSXのATモデルが。
聞けばつい昨日入庫したばかりといいます。まだ広告も打ってない車だよと店のお兄さん。2年車検と諸経費込みで50万弱。程度は年式の割りにかなりよさそうなこのロッキーが、その場で手付けを払った私の元にやってきたのは、その2週間後でした。

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